オンライン蔵見学-原料処理編1

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六歌仙仕込み蔵・精米場前

右手にある建物が六歌仙の醸造部門を担当する「六歌仙仕込み蔵」。
冬季期間中、こちらで仕込みを行っています。

仕込み蔵と繋がっている、奥に見える建物が精米場です。そこに米を搬入します。
精米し終わった米は、上に通っているパイプを通して仕込み蔵内の洗米場に送られます。

六歌仙の酒造りは全量自家精米となっており、その年の酒米の状態を確認する事から始まります。
原料米の90%は山形県産米を使用。
これにより、やまがたの風土を感じられるお酒を醸すことが出来ます。
その他、県外米として山田錦などを取り入れています。

精米所

入庫した玄米が、ここで時間をかけて精米されます。

精米歩合によってかかる時間は変わり、おおよその普通酒は20時間、60%精米で30時間~45時間、
40%精米で72時間~90時間ほどの時間がかかります。

大吟醸や純米大吟醸などは米の半分以上削るのでかなり脆くなるため、時間と技術が必要です。

精米後はすぐに次の工程に移るわけではなく、2週間~1ヶ月ほど枯らしという期間を設けられ、
次の「洗米・浸漬」作業に回されます。

洗米・浸漬

精米された米が、洗米されつつパイプを通り、浸漬タンクに直接送りこまれます。

水を切りつつ、洗った米をすべてタンクに入れ終えた後、
一気に水を張りこみ、規定時間で一気に水を切り、翌日まで枯らします。
水に浸す時間は長くても短くてもいけません。

当蔵は限定吸水による浸漬を行っております。
浸漬時間はその年の米の具合や、精米歩合によっても異なるため
ストップウォッチを使い、秒単位で調整しています。

大吟醸クラスの米は手作業で洗い、手作業で浸漬を行います。
繊細な作業になるため、浸漬タンクではなくザルに米を入れて行います。
後ろに積んであるザルはその時に使うものです。

一晩の枯らしの後は、コンベアを使い蒸米機に運び込まれます。

蒸場放冷室

縦に大きいタンク状の機械が蒸米機。
手前にある機械が米を冷ます放冷機です。
奥の二階の左手側に先ほどの洗米・浸漬場があり、
浸漬米がそこからコンベアを通り、蒸米機に送りこまれます。

蒸米機には約1400㎏もの米が入ります。
米を”炊く”のではなく”蒸す”為、蒸米機の下からは高温の蒸気が上がります。
蒸しむらが出ないように、ある程度米を張りこみ蒸気が通らなくなったら蒸気が上がるまで待ち、蒸気が上がってきたらまた米を張りこむ、という方法をとっています。
この技法を「抜け掛け」といいます。
米が蒸しあげられるのには約50分掛かります。

50分間の蒸しが終わったら下の米から順に放冷機に送りこまれます。
酒造りに使われる米は食用米とは違って、外側は固く内側は柔らかく蒸し上げられます。
このことを外硬内軟と言い、うまく蒸し上がったか確認するために手で米を潰し、ひねり餅を作ります。
蒸し上がったままの米では温度が高すぎる為、冷却装置を使って用途ごとに温度調整を行います。
蒸米はその日の仕込み作業に応じて酒母用、麹米用、掛米用に分けられ、麹米は約36度、掛米は8~26度に冷やされます。

麴米は機械の左側の壁にある穴にホースを通し、製麹装置へ送られる。
掛米は仕込みタンクへと送られる。